m1382 一万円??


その家の嫁は、軍艦の嫁と呼ばれ、孫達は、軍艦の孫と呼び、誰も苗字を使わない。
ひかるが、隣村を散策していると、おばあちゃんが、杖を持って石に腰掛け、休んでいた。会釈をして、通り過ぎようとしたら、まじまじと見て手招きする。
「初めて見る顔だが、あんたは、一万円か?」と言う。
何の事だ??
訳が分からない。
ボケているのか??
名字を言うと、「やっぱり、あんたは一万円だ」という。
そして、一万円の子供だと言う。
訳を聞くと、ひかるの父が生前、魚獲りの名人だった。
注文を聞き、注文通りの魚種を獲って来、売り歩いていた。
漁で稼ぐので、一日いくら稼ぐのだ、と聞いたそうだ。
父は、「一万円に決めている。それ以上獲らない」と言ったそうだ。
その話一つで、翌日からは、一万円というあだ名が島中、伝わったそうだ。
だから、父に似ている、ひかるを一万円、いや、一万円の子供だという。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック