m1340 半ボケ


皆さん、ハートアイランド、ご存知ですか。
沖縄本島から、南へ450キロ。周囲12キロという。ものの見事に、ハート型をした、小さな島がある。
黒島で、別名はハートアイランドと呼ばれている。
この島に、年齢は80歳を越した、いまだに独身の一人の爺ジーが居る。
頭は完璧にツルツル、ツルッ禿げだが、その分あごヒゲはもじゃもじゃ。
目は人一倍小さい。遠くから見ると、どう見ても、顔が上下逆回転だ。
いつも短パンツにランニング姿で、腹がポッコリと出ている。
年のせいか、半分ボケが入っている。
足腰は意外と丈夫でいつも自転車を乗り回し、昼間から島中を徘徊している。
見晴らしのいい、休憩所などで観光客がいると誰かれ構わず、
「どこから来たね~」と声をかけ回る。
爺ジーは若い頃、20年ほど大阪で仕事をし自分の生まれ育ったこの島へ、ふらりと単身戻ってきた。
観光客が名古屋から来た、というと、私は20年間名古屋で住んでいたといい。適当に話を合わせる。
別な観光客が、仙台から来たといえば自分は20年間、仙台に住んでいたことがある、と良い加減だ。
毎日が徘徊と、想像の世界である。

m1338 誘いかけ


しばらく飲んでいたが、またこんどは、別の方向で、星を見に行くという。
姉御役と思われる一人が、どうも自信がない。
こんどこそ間違いなく、金、金を5連発してやると、立ち上がって行った。
こら! この若さで、まだまだ人生を開き直ることないだろ、といったが、どうも耳に入らないようだ。
スレた様子からみて、この二人の女性は、再度星を見に行くと言って、周りの男の子が、いっしょについてくるのではないかと、誘いをかけしているように見えたが、男はだれ一人として、ついていかなかった。
男どもよ! 間違っても、このような女性に捕まるな。
まかり間違ってつかまると、なんで私が貧乏な人生を続けなければならないんだ、と言い続けられる。
結婚しない女性が増えているというが、原因の根本は、結婚に対する金の比重が、以前とは格段に違うようだ。
このような世代に生まれなくて幸せだった・・

m1337 流れ星


南の島の夜、雲一つない晴天、まれに見る、星空の美しい夜の出来事。
民宿の庭で、観光客、14、5人と輪になって酒を飲んでいると、年の頃、30歳を越したばかりと思われる女性の二人連れがいた。
きれいな星空を海岸で、見てくると二人は、出かけた。
しばらくして、きれいな星空が見れてよかったと帰ってきた。
流れ星、見えた、と聞くと、すごい大きな流れ星が、何個も見えた、との事だ。
金、金、金~
年頃の女性なので、さぞかし、流れ星に、ロマンチックな想いを寄せたのでは、と尋ねると。「もちろん、お願いごとしたわよ」
何をお願いしたのと聞くと、もちろんお金よ、と即座に言ってのけ、隣の子もうなずいていた。
「おじさん知らないの、流れ星に、金、金を5回連発できると、金持ちになれるのよ」
・・・・
今の若者の考え方には、夢もロマンもへったくれもない。

m1336 地獄耳


パーティーから、数日後、港であったので、声をかけた。
先日、群馬から、お父さんが、きたんだって、と聞くと、
え! ええ!!、誰から!、誰から聞いたの、私お父さんが島にきたこと誰にも言ってないのに、とびっくりしていた。
おじさん、地獄耳だから、何でも知ってるよ、というと、観念したのか、皆さん、島の良い人に出会えたこと、一生忘れないよと、笑顔で答えていた。
真美ちゃんのお父さん、本当に心配で、仕事を休んで、高い飛行機代出して、様子を見に来たんだぞ。
もっとお父さんに、甘えた方がいいよ、というと、2週間後に、島を離れるけど、島のこと、一生忘れないから、と明るい。笑顔だった。
群馬へ帰ったら、お見合いをして、いい人見つけな、というと、コックリうなずき、私必ずいい人見つけて、もう一度島へ来るから、と自信に溢れた少女の笑顔が返ってきた。
この島は、見事なハートの形をしている。なぜか、この島に滞在すると、心が落ち着き、癒されるという。
真っ赤に燃えた真美のハート、きっといい人が見つかるであろう。