m1373 蘇えった明子


たった一度、もう一度、自分の姿を見てほしい。この極楽とんぼで、一晩で良いから泊まって欲しいのである。
蘇えった明子は、とても六十に手の届く女性とは思えない。
若々しく、はるか彼方を見つめ、遠ざかる昭二の姿を追い求める踊り、
時にはフラメンコを遙かに凌ぐ激しさ、しなやかな腰の動き、
見る者を怪しい魔の世界へ引きずり込みかねない、艶やかな色気さえ漂う。
お客が明子の踊りを見ると、ジッとしていられない。
一緒になって腰を上げ、激しく踊り狂うのである。
今日も明子は、心のなかで念仏をあげ踊る。
民宿とんぼ 極楽とんぼ。
一度でいいから、泊まりに来てください。
きっと、きっとよ!
民宿とんぼ 極楽とんぼです。
是非、泊まりに来てください。
きっと、きっとよ・・・・・完

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